2026年7月 世界プレス業界ニュース:SEYIがAI分野へ増資、シューラーが精密管製造で提携
世界のプレス業界は2026年7月、戦略的な動きが相次いだ。SEYIはAI・航空宇宙分野への拡大に向け5.35億台湾ドルを調達、ANDRITZシューラーはWF Maschinenbauと提携、北米では金属プレス業界のM&Aが加速している。
SEYI、初の第三者割当増資で5.35億台湾ドル調達 — AI・航空宇宙・新エネルギー市場へ
中大型サーボプレスの世界的メーカーであるSEYI Machinery(台湾証取:4533)は、初の私募増資を発表。普通株式2,000万株を1株26.75台湾ドルで発行し、約5.35億台湾ドル(約17百万米ドル)を調達する。引受先は台湾企業再生ファンド(TRF)。
調達資金はAIサーバー、航空宇宙部品、新エネルギー車向けプレス機械事業の拡大に充てられる。プレス業界が従来の自動車依存から多角化しつつあることを示す動きだ。
ANDRITZシューラー、WF Maschinenbauと高強度精密管の製造で戦略提携
ANDRITZシューラーとWF Maschinenbauは、鍛造と先進成形技術を連続プロセスチェーンとして統合し、高強度・閉底精密管を製造する戦略的協力契約を締結。共同システムはパリのEurosatory展(2026年6月15〜19日)で初公開された。
同時期、ANDRITZ MetalsはMetalForm China 2026(上海、6月24〜27日)に出展し、鍛造ソリューションと加熱炉を紹介。シューラーのANDRITZシューラーへの改称後、グループ統合戦略が鮮明になっている。
Sko-Die、Harig Mfg.のファインブランキング・金属プレス事業を買収
米イリノイ州のSko-Die Inc.は、自動車・家電・電動工具・航空宇宙向け精密部品メーカーHarig Mfg. Corp.のファインブランキング・金属プレス事業を買収した。
Morton Grove工場にはファインブランキングプレス4台、160トンプレス2台、250トンプレス2台が移設される。北米プレス業界の統合が加速している証左だ。
Salvagnini、パネルベンダーとロボットを組み合わせた「P-Robot」を発表
Salvagniniはオーストリア・エンスドルフでのXperience 2026イベントで、パネルベンダーとロボットを組み合わせ、キット・ロット・単品を自律生産する「P-Robot」を発表。作業者の熟練度への依存を減らす板金加工の自動化ソリューションだ。
鉄鋼の過剰生産能力が世界市場を圧迫
ISMR誌は、鉄鋼の過剰生産能力が世界市場に影響を与えていると警告。プレス業界の原材料価格に直結する問題であり、プレス加工企業にとって鋼材価格の変動は利益率リスクであると同時に、材料契約再交渉の好機でもある。
サーボプレスとIoTが2026年プレス加工の新標準に
2026年のトレンドレポートは3つの方向性で一致:油圧式より最大50%省電力のサーボプレスがESG要件のもと標準化、IoT対応プレスによるリアルタイム監視と予知保全、そしてEV向け投資(バッテリートレイ、モーターハウジング、軽量ボディパネル)による新規プレスライン需要の拡大だ。
📊 金属プレス市場データ
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総括
2026年後半の世界プレス業界は、SEYIの増資に見られる新分野(AI・航空宇宙・EV)への資本流入と、ANDRITZシューラー–WFやSko-Die–Harigのような提携・M&Aによる技術統合という2つの軸で動いている。サーボプレスとIoTはもはや選択肢ではなく、競争の標準となった。
ベトナムの製造業にとっての示唆は明確だ。鋼材価格の変動には材料管理の強化で備え、サーボ化のトレンドはFDI需要を取り込む設備更新の好機となる。PRESTECは国際基準のプレス機械のコンサルティング・メンテナンス・アップグレードでベトナムの工場を支援している。